豆乳は「薬膳」におすすめ?薬膳の基本と季節の豆乳スープレシピ4選
季節の変わり目や暑さ・寒さ、乾燥などによって、なんとなく体調や肌の調子が気になることはありませんか?そんな季節特有の不調に寄り添う知恵として、改めて関心が高まっているのが「薬膳」です。
国際中医薬膳師の資格を持つ西岡麻央さんは、「薬膳は、季節や体調に合わせて自分に合う食材を選ぶ食養生。その中で豆乳は、体に必要な潤いを補い、優しく整えてくれる食材です。」と話します。
今回は西岡麻央さん監修のもと、薬膳の基本的な考え方と、初心者でも手軽に取り入れやすい豆乳を使った季節の薬膳スープレシピをご紹介します。
監修
西岡麻央さん
野菜の料理家、国際中医薬膳師
大手航空会社の客室乗務員として世界中を巡る中で健康管理の大切さを実感し、料理の道へ。野菜を使った簡単でカラダ想いのレシピ開発やメニュー監修、フードスタイリングや料理教室などを手掛ける。日本テレビ「世界一受けたい授業」、「キユーピー3分クッキング」TBS「ひるおび」、「Nスタ」をはじめとするテレビ番組への出演や、メディアやイベントで幅広く活躍。著書は『薬膳の作りおきおかず』『野菜を食べる副菜 あと1品で、ゆる薬膳』など多数。
「薬膳」とは?
「薬膳」と聞くと、漢方薬や生薬など、特別な食材を使うものというイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし薬膳とは、そのときの季節や体調に合わせて食材を選び、体を整える食事法のことです。
そのため、必ずしも特別な食材が必要なわけではありません。普段の食卓に並ぶ野菜や肉、魚、穀物などの身近な食材にもそれぞれ異なる特徴があり、それらを上手に組み合わせることで気軽に薬膳を取り入れることができます。
西岡さん:「なんとなく難しそうなイメージがあるかもしれませんが、普段私たちがスーパーで手にする食材でも薬膳を作ることができると思うと、そのハードルはぐんと下がりますよね。食事は毎日のことなので、頑張りすぎると続きません。だからこそ、まずは身近な食材の特徴を知り、気軽に薬膳を取り入れてみましょう!」
薬膳の考え方
薬膳の考え方のベースとなっているのが、中国の伝統医学である「中医学」です。中医学では、人の体と自然環境は互いに影響し合うものと考えられており、その調和を保ちながら心身全体のバランスを整えることを重視しています。
その根底にはさまざまな理論がありますが、今回はその中でも代表的な「陰陽」と「五行」について解説します。
基本理論①:陰陽
「陰陽(いんよう)」とは、昼(太陽)と夜(月)の移り変わりに着想を得た概念で、この世のすべてのものを「陰」と「陽」の二つの性質で捉える考え方です。例えば、「静」と「動」、「冬」と「夏」、「内」と「外」などは、それぞれ陰陽の関係にあります。
陰陽は対立する性質を持ちながらも、互いに補い合いながら均衡を保っています。そのため、どちらかに良し悪しがあるわけではありません。人の体もまた陰陽で捉えられ、そのバランスが保たれている状態が健康であり、偏りが生じると不調につながると考えられています。
基本理論②:五行
「五行(ごぎょう)」とは、この世のすべてのものを「木・火・土・金・水」の五つの要素に分類して捉える考え方です。五行には、一方が他方を生み育てる「相生(そうせい)」と、一方が他方を抑制する「相克(そうこく)」という関係があり、これらの働きによって全体の均衡が保たれていると考えられています。
また、五行は五臓(肝・心・脾・肺・腎)や五味(酸・苦・甘・辛・鹹)、季節(春・夏・梅雨・秋・冬)などさまざまなものと対応しており、人体や自然界の関係性を理解するための考え方として用いられています。
薬膳における食材の分類
こうした陰陽や五行の考え方をもとに、薬膳では食材の特徴を理解し、心身の状態に合わせて食材を選びます。その際のひとつの指標となるのが、「五性(ごせい)」です。
<食材の温める力・冷やす力を表す「五性」>
「五性」とは、食材が体に与える作用を「熱・温・平・涼・寒」の五つに分類したものです。五性を意識することで、例えば寒い季節や冷えが気になるときには熱性・温性の食材を、暑い季節や体に熱がこもりやすいときには寒性・涼性の食材を取り入れるなど、季節や体調、体質に合わせて食材を選ぶことができます。
<薬膳における豆乳の魅力>
西岡さん:「豆乳は五性の中で「平性」に分類され、体を温めも冷やしもしない穏やかな性質のため、季節や体質を問わず取り入れやすい食材です。冷やしても温めても美味しく、やさしい大豆の甘みや豊かな風味が料理の幅を広げてくれますよ!また、さまざまなジャンルの料理になじみやすく、他の食材の持ち味を活かしながらコクをプラスできるのも魅力のひとつです。」
季節の変化に寄り添う!薬膳豆乳スープレシピ4選
ここからは、季節に合わせたおすすめの薬膳豆乳スープをご紹介します。豆乳はさまざまな食材と合わせやすく、一年を通して活用しやすい食材のひとつ。旬の食材のおいしさを楽しみながら、季節の変化に寄り添う豆乳スープを作ってみませんか。
【春】あさりと春キャベツの豆乳スープ
西岡さん:「旬の時期に味わいたい、柔らかくてみずみずしい春キャベツや新玉ねぎがたっぷり入った一品。まろやかな豆乳スープにあさりの旨みが溶け出した満足感のあるスープです。中医学の世界で春は、情緒や気の巡りと深く関わると考えられている「肝」の働きが活発になる季節とされています。寒性に属するあさりを食事に取り入れながら、春ならではのからだの変化を意識してみるのもよいでしょう。」
【夏】モロヘイヤと豚肉のスパイス豆乳スープ
西岡さん:「気温が高く発汗も増える夏は、体内の水分やエネルギーである「気」を消耗しやすい季節と考えられています。そんな季節には、涼性に属するモロヘイヤと、食べ応えのある豚肉を取り入れた豆乳スープがおすすめです。夏バテ中の食欲が湧かないときでもとろみのあるスープは喉を通りやすく、クミンのスパイシーな香りに食欲がそそられます!」
【秋】たっぷりきのことかぼちゃの豆乳みそスープ
西岡さん:「秋は、夏の消耗した体をいたわりながら冬に備え整えていく季節と考えられています。そんな季節に味わいたい、温性に属するかぼちゃと、旬のきのこをたっぷり使ったスープです。ほっくりとしたかぼちゃの甘みときのこの豊かな旨みが重なり、秋らしい味わいを楽しめます。みそを加えたスープは塩味と甘みのバランスが絶妙な仕上がりに!」
【冬】手羽先と大根の豆乳スープ
西岡さん:「手羽先と大根がごろっと入り、なつめや長ねぎ、しょうがなど、体を温める食材をたっぷり使った食べ応えのあるスープです。寒さから身を守り、エネルギーである「気」を蓄える季節とされる冬にぴったりな一品。手羽先の旨みが溶け込んだやさしい味わいに、なつめのほんのりとした甘みとしょうがの香りが加わり、奥行きのあるおいしさを楽しめます。」
レシピで使用する商品はこちら
マルサンアイ「有機豆乳無調整 1000ml」
有機大豆のみを使用した、大豆固形分9%の無調整豆乳です。まろやかで自然な甘味がありながら、すっきりとしたあと味が特長。そのまま飲むだけでなく、お料理やお菓子作りにも。
商品はこちら豆乳スープで気軽に薬膳を楽しもう
さまざまな食材と合わせやすい豆乳は、毎日の食事にも取り入れやすい食材のひとつです。今回ご紹介した豆乳スープを参考に、季節の変化やその時々の心身の状態に目を向けながら、気軽に薬膳を取り入れてみてはいかがでしょうか。