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豆乳で旨みアップ!管理栄養士が教える毎日の料理をおいしくする簡単テクニック【レシピ付き】

大豆成分の豆乳で旨みアップ!代替えレシピで料理をもっとおいしく

「いつもの料理がなんだか物足りない」「マンネリを解消したい」そんなお悩みはありませんか?そこでおすすめなのが、豆乳を使うアレンジです。この記事では、大豆・豆乳の持つ、隠れたうま味成分を食の専門家である管理栄養士の小嶋絵美さんが解説します。豆乳を簡単においしく取り入れる実践テクニックとレシピをご紹介しますので、ぜひご覧ください。

INDEX

そもそもうま味を感じる瞬間って?「おいしさ」の正体

大豆のうま味成分って?管理栄養士が注目する理由

うま味の相乗効果を生む最強の組み合わせ

いつものメニューをさらにおいしく!豆乳簡単レシピ4選

管理栄養士が教える豆乳活用の注意点とコツ

豆乳のうま味を活かしておいしく調理しよう!

そもそもうま味を感じる瞬間って?「おいしさ」の正体

うま味成分の種類と特徴
料理をおいしくするために欠かせないのが、うま味成分です。日本料理では主に「だし汁」にうま味成分が隠れています。うま味成分の正体は、アミノ酸。昆布はグルタミン酸、かつお節はイノシン酸、干ししいたけはグアニル酸が含まれています。そして、大豆にもグルタミン酸は豊富です。豆乳や味噌、しょうゆなど大豆製品のおいしさの理由のひとつがうま味成分なんですね。(※1,2)
うま味の相乗効果とは?
複数のうま味成分を掛け合わせると、より強いうま味が生まれます。これを相乗効果といいます。日本料理で定番のかつお昆布だしではグルタミン酸とイノシン酸の組み合わせにより、うま味が7~8倍にもなるといいます。うま味を活用すれば塩分を控えてもおいしく調理でき、減塩につながります。(※3)

大豆のうま味成分って?管理栄養士が注目する理由

大豆に含まれるグルタミン酸の量
ゆで大豆100gあたりに、グルタミン酸は3,000mg含まれています。大豆を麹で発酵させると、味噌や醤油ができます。発酵させることでうま味のもととなるアミノ酸のほか、甘い糖も作られます。(※2,4)
豆乳の種類と特徴。無調整と調製の違いとは?
大豆製品のなかでも、豆乳は液体状なので使い勝手がいい存在です。そのまま飲むこともできますが、牛乳代わりにいろいろな料理に使うことができます。種類としては無調整豆乳(豆乳)と調製豆乳があります。調味された調製豆乳のほうが飲みやすいという方が多いかもしれません。製造方法・成分を比較すると、以下のような違いがあります。
  • ・無調整豆乳(豆乳):大豆からたんぱく質などの成分を溶出させ、繊維質を除去して得られた乳状の飲料(大豆豆乳液)のこと。大豆固形分は8%以上。(※5)
  • ・調製豆乳:無調整豆乳に植物油脂や砂糖類、食塩などの調味料を加えたもので、大豆固形分6%以上。(※5)

うま味の相乗効果を生む最強の組み合わせ

大豆(豆乳)×かつおだし(イノシン酸)の組み合わせ
相乗効果でうま味が倍増します。豆乳をはじめとする大豆製品を使った鍋やスープはおいしく人気がありますが、これもうま味の相乗効果で説明ができます。(※1,2)
大豆(豆乳)×肉類(イノシン酸)の組み合わせ
大豆製品は、肉類との組み合わせも相性抜群です。水煮大豆をひき肉と合わせて炒めものにするほか、ベーコンと煮込んでスープにしてもおいしいです。豚肉入りの豆乳鍋を作るのもいいですね。
大豆(豆乳)×きのこ類(グアニル酸)の組み合わせ
しいたけを代表とするきのこ類にも、うま味成分グアニル酸が豊富です。大豆のグルタミン酸×きのこ類のグアニル酸でもうま味成分の強まる相乗効果が期待できます。(※1,2)
大豆(豆乳)×ミネストローネスープ×きのこ類(グアニル酸)の組み合わせ
ミネストローネスープの材料を見ると、トマトやたまねぎ、にんじんなどにグルタミン酸が含まれています。豚肉(ベーコン、ハムなど)にはイノシン酸が豊富です。ここに豆乳ときのこ類を入れると、さらにうま味がアップします。(※1)

いつものメニューをさらにおいしく!豆乳簡単レシピ4選

1.ガスパチョ風。豆乳トマトそうめん

豆乳とトマトジュースで、栄養バランス&おいしさがアップ。トマトもグルタミン酸が多いので、おいしく仕上がります。野菜を飾れば、見映えも華やか。栄養が偏りがちなそうめんのアレンジとして、おすすめですよ。

材料(2人分)

そうめん
2束
トマトジュース(食塩不使用)
200ml
豆乳
200ml
コンソメ
小さじ1
お湯
大さじ1
塩こしょう
少々
ズッキーニ、ミニトマト(それぞれ角切り)
お好みで
オリーブオイル
お好みで

※豆乳は、無調整・調製どちらでも使用可能です

作り方

そうめんはパッケージ記載の通りにゆでて、流水でよく洗い、水気を切ります。

トマトジュースと豆乳を合わせたら、コンソメをお湯で溶いて加えます。よく混ぜて、塩こしょうで味を調えます。

器にそうめんを盛り、2を注ぎます。お好みで角切りにしたズッキーニやミニトマトをトッピングし、オリーブオイルをたらします。

2.スンドゥブ風。豆乳キムチ鍋

キムチ鍋に豆乳を加える簡単アレンジ。包丁不使用。材料を順に煮込むだけで作れます。うま味のある白菜と豆乳、豚肉が相まって絶品です。豆乳で辛さがマイルドになり、キムチの種類やラー油の量で、辛味を調整できます。

材料(2人分)

豚こま肉
200g
キムチ
1パック(180g)
ごま油
大さじ1
200ml
豆乳
200ml
絹ごし豆腐
150g
鶏ガラスープの素
大さじ1
かいわれ大根
お好みで
ラー油
お好みで

※豆乳は調製豆乳がおすすめです

作り方

鍋にごま油を入れ中火で熱し、豚こま肉を炒めます。

火が通ってきたら、キムチを加えてさっと炒めます。

水と鶏ガラスープの素を入れて沸かします。火を弱めて豆乳を注ぎ、豆腐をスプーンですくって入れたら、沸騰しない程度に温めます。

器に盛り、お好みでかいわれ大根やラー油をトッピングします。

3.生クリーム不使用。豆乳ときのこのクリームライス

きのこ×豆乳の組み合わせで作る、クリームライス。きのこのグアニル酸と大豆由来のグルタミン酸を掛け合わせ、うま味が倍増します。豆乳を使うことで、生クリームよりもあっさりとヘルシーにいただけます。

材料(2人分)

鶏もも肉
200g
しめじ
1袋(100g)
バター
10g
小麦粉
小さじ2
豆乳
200ml
塩こしょう
少々
ゆでブロッコリー
適量
パセリ粉
お好みで

の材料

150ml
50ml
コンソメ
小さじ2

※豆乳は調製豆乳がおすすめです

作り方

フライパンにバターを入れ、中火で溶かしたら、鶏もも肉を並べてしめじを敷きます。鶏もも肉は両面をこんがり焼き、しめじも時々返しながら焼きます。

Aを入れて沸かし、蓋をして弱火で5分ほど蒸し焼きにします。具材にしっかり火を通します。

小麦粉を振り入れて混ぜ、豆乳を入れて沸騰させない程度に加熱します。

塩こしょうで味を調え、ごはんと一緒に器に盛り、ゆでブロッコリーをトッピングします。ごはんにはお好みでパセリ粉をふります。

4.具だくさん。豆乳豚汁

豆乳入りで栄養満点の豚汁です。野菜もたっぷり摂れます。切るのが面倒な人や、野菜を使い切れないひとり暮らしの方は、冷凍豚汁ミックスを使ってもOKです。かつおだしと大豆製品のうま味が相乗効果を生みます。

材料(3人分)

豚こま肉
200g
ごま油
大さじ1
大根
5cm分(100g)
にんじん
1/3本(50g)
さといも
2個
長ねぎ
1/3本
かつおだし
600ml
豆乳
200ml
みそ
大さじ2と1/2
小口ねぎ
お好みで

※豆乳は調製豆乳がおすすめです

作り方

大根はいちょう切り、にんじんは半月切り、長ねぎは斜め切り、さといもは4等分にします。

鍋にごま油を入れ中火で熱し、豚こま肉を炒めます。

1とかつおだしを加えて沸かし、弱火で10~15分ほど煮込みます。(蓋はしません)

野菜がやわらかくなったら豆乳を加え、みそを溶かし、沸騰しない程度に温めます。

器に盛り、お好みで小口ねぎをトッピングします。

管理栄養士が教える豆乳活用の注意点とコツ

無調整豆乳は沸騰させたり、酢を加えたりすると分離してしまうおそれがあります。鍋やスープに入れるときは、ベースのだしで具が煮えてから。仕上げのタイミングがベストです。入れたあとは沸かさないように火加減に気を付け、酢を使う味付けは避けましょう。調製豆乳のほうが分離しにくいので、加熱調理をする際は調製豆乳を使うのもおすすめです。

豆乳のうま味を活かしておいしく調理しよう!

豆乳にはうま味成分であるグルタミン酸が豊富に含まれています。かつおだしや肉のイノシン酸、きのこ類のグアニル酸と掛け合わせると、うま味の相乗効果でうま味がアップしますよ。豆乳鍋や豆乳スープにかつおだしを使ったり、肉やきのこ類を入れて食べたりするのがおすすめです。豆乳の簡単アレンジレシピを取り入れて、おいしくたのしく豆乳生活を続けましょう!

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