どれが運動する人向き?豆乳・アーモンドミルク・オーツミルクの違いとは?
豆乳・アーモンドミルク・オーツミルクはそれぞれ原料や含まれる栄養成分に特徴があります。管理栄養士兼トレーナーが3種を徹底比較。運動習慣、美容や腸活など目的に合わせた植物性ミルクの選び方を解説します。
運動する人こそ知っておきたい、植物性ミルクの違い
ここ数年、スーパーやコンビニ、カフェなどでも、豆乳やアーモンドミルク、オーツミルクといった植物性ミルクを見かける機会が増えましたよね。植物性ミルクの違いがわからず、どれを選ぶか悩んだときは「ヘルシーな気がする」「パッケージがおしゃれ」など、なんとなく気分で選んでいる人も多いのではないでしょうか?
植物性ミルクはそれぞれ原料や含まれる栄養成分が異なるため、目的に応じて選ぶことが大切です。本記事では、植物性ミルクそれぞれの特徴や選び方に加え、運動する人が植物性ミルクを選ぶ際のポイントについて、管理栄養士兼トレーナーの河村玲子さんに伺いました。
筆者プロフィール:
河村玲子さん
管理栄養士・パーソナルトレーナー
コンディショニングスタジオRAF代表
体づくりを体の内外両面からサポートする をコンセプトに活動。健康・ボディーメイクのための栄養に精通しており、雑誌Tarzanやクロワッサンの栄養・トレーニング記事の監修、企業のレシピ作成を行っている。トレーナーとして、整えながら引き締めるトレーニングを得意とし、姿勢改善や体の不調改善に定評がある。
Instagram:
https://www.instagram.com/rd.reiko.kawamura/
そもそも植物性ミルクって?ならではのメリットとは
<植物性ミルクとは>
植物性ミルクとは豆やアーモンド、オーツ麦などの植物性素材を主原料としたミルク状の飲料です。プラントベースミルクや代替ミルクとも呼ばれています。牛乳に比べてカロリーや脂質が控えめのものが多く、素材由来の栄養を含むことが特徴。それぞれ原料が異なるため、風味や栄養成分にも違いがあります。※1
<植物性ミルクのメリット>
植物性ミルクは植物性素材を原料としているため、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする方や乳アレルギーの方でも飲むことができます。また、原料となる植物性素材にはさまざまな種類があるので、気分や摂りたい栄養に合わせて選ぶことができる点も魅力のひとつ。さらに、植物性ミルクは大豆やアーモンド、オーツ麦などを細かく砕いて加工しているため、素材そのものを摂取するよりも吸収されやすいという利点もあります。
<代表的な3つの植物性ミルク>
・豆乳・・・大豆を主原料とした、日本でもっともポピュラーな植物性ミルク。
・アーモンドミルク・・・アーモンドを主原料とした、牛乳、豆乳に次ぐ“第3のミルク”の筆頭とも言われている植物性ミルク。
・オーツミルク・・・オートミールやグラノーラの原料であるオーツ麦(えん麦)を水と粉砕・ろ過して作る植物性ミルク。
3種の栄養成分を徹底比較!
<栄養成分比較表(100gあたり)>
<たんぱく質量の差に注目>
豆乳のたんぱく質量はアーモンドミルクの約6倍、オーツミルクの約4倍。運動する人や、高たんぱく質な食事を意識している人にとってこの差は見逃せません。また大豆たんぱく質は、含有する必須アミノ酸のバランスを指標化したアミノ酸スコアが100であり、良質なたんぱく質と言えます。 ※5※6
<各ミルクの注目成分を深掘り>
- 豆乳
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豆乳には抗酸化作用のあるイソフラボンやサポニン、脂質代謝を助けるレシチンといった大豆由来の成分が含まれています。なかでもイソフラボンは骨密度を保つ作用が期待されており、とくに更年期以降の女性の健康の維持に役立つと考えられています。※7※8※9
さらに若い女性が不足しがちな鉄を比較的多く含みます。鉄は血液の循環や酸素の供給に関わる栄養素で、不足すると疲労感につながるおそれが。ほかにもカリウムやマグネシウム、ビタミンB群などが含まれます。※2※10※11
- アーモンドミルク
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低カロリー・低糖質で美容意識の高い人に人気のアーモンドミルクには、アンチエイジングのビタミンと言われ、強い抗酸化作用を持つビタミンEが多く含まれています。脂質の酸化を抑制し血管を健康に保つほか、細胞の酸化を防ぐため老化防止にも効果があります。※12※13
- オーツミルク
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オーツミルクには、腸内環境の改善に関わる水溶性食物繊維のβ-グルカンが含まれています。そのほか満腹感を持続させたり、食後血糖値の上昇を抑えたりする作用も期待されている栄養素です。※14
- 専門家コメント①
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植物性ミルクの中で比較すると、豆乳はたんぱく質の多さが特徴的です。たんぱく質や鉄を含む豆乳は栄養のベースの底上げに。低カロリーでビタミンEが豊富なアーモンドミルクは、美容や体重を減らしたいときに。水溶性食物繊維のβ-グルカンを含むオーツミルクは、腸活や食欲のコントロールをしたいときにおすすめです。※2※3※4※14※15
味の特徴・おすすめの楽しみ方
<味の特徴と楽しみ方の比較表>
植物性ミルクを選ぶ時は、栄養成分だけでなく、味わいや取り入れやすさも大切なポイント。味の好みや普段の食事・飲み物との相性を意識すると、日々の食生活にも取り入れやすくなりますよ。
豆乳は大豆のコクを活かし、鍋やみそ汁などの和食にもおすすめです。大豆の風味が気になる人は、砂糖が添加されていて飲みやすい調製豆乳や豆乳飲料を選ぶ手もありますよ。
アーモンドミルクはスイーツやポタージュなど、ナッツの香ばしい風味とほんのりとした甘みが活きる料理と好相性。一方、クセが少ないオーツミルクは、コーヒーや紅茶に加えても、素材の風味になじみやすいところが魅力です。
こんな人にはコレ!タイプ別おすすめ
- 美容・エイジングケアが気になる人 → アーモンドミルク
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ビタミンEが豊富なアーモンドミルクは、美容やエイジングケアを意識した食事をしたい人に向いています。ビタミンEには老化やシミ、シワの原因となる活性酸素から体を守る、抗酸化作用があります。また、低カロリーで日常的に取り入れやすいのもメリットです。※3※13
- 腸活・おなかすっきりを目指す人 → オーツミルク
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自然な甘みで飲みやすく、毎日続けやすいオーツミルクは腸活を意識している人にぴったりです。オーツミルクに含まれる水溶性食物繊維のβ-グルカンが腸内環境をサポートしてくれます。※14
- 運動する人・筋トレをしている人 → 豆乳
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運動をする人や筋トレをしている人におすすめなのが、アミノ酸スコア100の良質な植物性たんぱく質を含み、植物性ミルクのなかでもダントツのたんぱく質量を誇る豆乳です。そのうえ、イソフラボンやレシチンなど健康をサポートする成分も豊富。※2※3※4※8
また、牛乳より脂質が少なく、カロリーを抑えながらたんぱく質を摂取できるので、運動する人が選ぶとよい植物性ミルクは豆乳だと言えます。※1※2
- 専門家コメント②
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先ほどの比較表からも、豆乳はたんぱく質や鉄の含有量の高さが特徴的です。運動をする人にとっては、たんぱく質は筋肉の合成に不可欠。※2※3※4※6
また、鉄は酸素を全身に運搬するので、運動する人にとって大切な栄養素です。鉄が不足することで倦怠感や持久力の低下につながるといわれています。男性でも長距離走る運動をしている場合には、着地の足底への衝撃から赤血球が壊れ、鉄不足になることも。※10※16
アーモンドミルクやオーツミルクも優れた飲料ですが、たんぱく質と鉄の含有量で見ると豆乳が最も効率的な選択肢と言えるでしょう。
スポーツ栄養士が教える「運動する人に豆乳がいい理由」
<たんぱく質補給としての豆乳の実力>
無調整豆乳を1杯(200g)飲むと、約7gのたんぱく質を摂取できます。大豆たんぱく質は必須アミノ酸がバランスよく含まれており、良質なたんぱく質が効率よく補えます。また、消化吸収が穏やかなので満足感が続きやすいもメリット。※2※5
<運動する人にうれしい「+α」の成分>
豆乳にはたんぱく質だけでなく、脂質代謝をサポートするレシチンに加えて、抗酸化作用のあるサポニンやイソフラボン、ビタミンEが含まれます。これらの抗酸化物質は激しい運動によって増加する「活性酸素」から体を守る作用があります。※2※7※8※13
また、豆乳に含まれるカリウムやマグネシウムはこむら返り(ふくらはぎのけいれん)の対策にも。※2※16※17
<おすすめの摂取方法>
たんぱく質は摂りだめできないので、一日を通してこまめに補給するのがおすすめ。食事にプラスするほか、間食代わりに豆乳を飲んでたんぱく質を摂取するとよいですよ。また、就寝中にはたんぱく質が体内で消費されるため、朝食時に豆乳を飲んでたんぱく質を補うのもおすすめです。※18
- 専門家コメント③
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植物性ミルクはどれも素晴らしい飲料ですが、運動をされる方にとってはまずはエネルギーと3大栄養素のバランスを整えることが絶対条件。脂肪が少なく、たんぱく質の多い豆乳は、植物性ミルクの中でのベストパートナーと言えるでしょう。※2※6
プロテインを溶いたり、ビタミンたっぷりのスムージーづくりに足したり、お味噌汁にちょい足ししたり。一日を通してたんぱく質をちょい足しして、持続的にたんぱく質を筋肉に与え続けましょう。
まとめ
植物性ミルクはそれぞれ成分やメリットが異なるので、目的に合わせて選ぶのが大切です。美容目的ならアーモンドミルク、腸活にはオーツミルク、運動する人には豆乳がおすすめです。
豆乳はたんぱく質の量が多く、さまざまな栄養が含まれるので運動する人には心強い味方だと言えます。まずは運動後の1杯から、豆乳を取り入れてみませんか?
【参考文献】
※1:植物性ミルク|スペシャル|マルサンアイ株式会社
※2:Soy milk, unsweetened, plain, shelf stable - Nutrients - Foundation | USDA FoodData Central
※3:Almond milk, unsweetened, plain, shelf stable - Nutrients - Foundation | USDA FoodData Central
※4:Oat milk, unsweetened, plain, refrigerated - Nutrients - Foundation | USDA FoodData Central
※5:大豆たんぱく質摂取のすすめ https://www.hokeni.org/docs/2024121600015/file_contents/soyprotein.pdf
※6:アスリートのたんぱく質栄養の考え方|日本スポーツ栄養研究誌 第2巻 https://www.jsna.org/cms/wp-content/uploads/2022/11/2-p7-12.pdf
※7:サポニンと効果と摂取量 | 健康長寿ネット https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/saponin.html
※8:レシチン・コリンの効果と摂取量 | 健康長寿ネット https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/lecithin.html
※9:大豆イソフラボンの骨代謝調節作用 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/76/5/76_291/_pdf
※10:鉄|生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット) https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-022
※11:令和5年国民健康・栄養調査結果の概要 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001338334.pdf
※12:アーモンドミルク | マルサンアイ株式会社 https://www.marusanai.co.jp/brand/almond-milk/
※13:抗酸化による老化防止の効果 | 健康長寿ネット https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka-yobou/kousanka-zai.html
※14オーツミルク | マルサンアイ株式会社 https://www.marusanai.co.jp/brand/oatmilk/
※15:(1-3),(1-4)-β-グルカンについて https://www.jfrl.or.jp/storage/file/news_vol6_no29.pdf
※16:スポーツ貧血|スポーツ栄養研究会寄稿 https://www.osaka-eiyoushikai.or.jp/circle/sports/pdf/sports_58.pdf
※17:こむら返りを防ぐ|協立内科クリニック https://www.hakodate-kyouritsu-medical.jp/column/20220930-39.htm
※18:プロテインを摂取しましょう。|せたがや仙川クリニック https://sengawa-cl.com/blog/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%92%E6%91%82%E5%8F%96%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%80%82/?post_type=post
(2026/07/04参照)