運動している人必見!管理栄養士兼トレーナーの河村玲子さんが教える最強の「豆乳フィットネス」術
トレーニー・ダイエッターの新常識!なぜ今「豆乳」なのか?
コンビニやスーパー、ドラッグストアなどで手軽に購入できる豆乳は、日常の栄養補給はもちろん、運動習慣のある人にもぜひ取り入れてほしい食品です。良質な植物性たんぱく質をはじめ、ビタミンやミネラル、イソフラボンなどを含み、体づくりを内側からサポートしてくれます。
本記事では、豆乳に含まれる栄養の特長をはじめ、運動前後の効果的な摂取タイミングや、無理なく続けられる簡単レシピについて、管理栄養士兼トレーナーの河村玲子さんに教えていただきました。
筆者プロフィール:
河村玲子さん
管理栄養士・パーソナルトレーナー
コンディショニングスタジオRAF代表
体づくりを体の内外両面からサポートする
をコンセプトに活動。健康・ボディーメイクのための栄養に精通しており、雑誌Tarzanやクロワッサンの栄養・トレーニング記事の監修、企業のレシピ作成を行っている。トレーナーとして、整えながら引き締めるトレーニングを得意とし、姿勢改善や体の不調改善に定評がある。
Instagram:
https://www.instagram.com/rd.reiko.kawamura/
豆乳を取り入れると起こる「嬉しいコト」
河村先生:豆乳は、「畑の肉」とも呼ばれる大豆を原料とした飲み物です。なかでも無調整豆乳は、大豆をすりつぶして絞っただけのシンプルな製法で、添加物や甘味料を加えていないのが特徴です。
たんぱく質やカルシウム、ビタミン、ミネラルに加え、「イソフラボン」という機能性成分まで一度に摂取できる点は、豆乳ならではの魅力。安心して日常に取り入れられる、栄養価の高い食品といえるでしょう。ここでは、大豆に含まれる代表的な栄養素を3つご紹介します。(※1,2)
- たんぱく質
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筋肉や皮膚、髪の毛など、体を構成するあらゆる組織の材料となる重要な栄養素です。大豆由来のたんぱく質は、牛乳に比べて吸収がゆるやかなため、腹持ちがよく、食欲コントロールにも役立ちます。※3※4
また、大豆タンパク質の一種である「βコングリシニン」には、中性脂肪を減らす働きがあることが知られており、特定保健用食品(トクホ)の関与成分としても活用されています。※5
- 鉄
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月経のある女性の多くは、気づかないうちに鉄不足(潜在性鉄欠乏)に陥りやすいとされています。鉄が不足すると、貧血だけでなく、疲れやすさや倦怠感の原因になることも。※6※7
大豆は植物性食品の中でも比較的鉄を多く含む食材です。吸収率を高めるためには、ビタミンCを含む食材と組み合わせるのがおすすめ。詳しくは、後ほどレシピでご紹介します。※6
- イソフラボン
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女性ホルモンに似た働きをもつ成分で更年期症状に関わるほか、閉経後の女性の骨密度維持に役立つと考えられています。さらに、抗酸化作用も強く、老化や生活習慣病の対策に役立つため、健康・美容の両方でうれしい成分です。※8※9
豆乳を飲むベストタイミングは?
河村先生:効率良く筋肉を保つには、たんぱく質を1日の中で数回に分けて摂取することが大切とされています。理想は、朝・昼・夕の3食で均等に摂ること、また間食時に補給することで、効率よく体づくりをサポートできます。※10
では、たんぱく質は1日にどのくらい摂ればよいのでしょうか。運動習慣がある方や、筋肉量を増やしたい・体を整えたいと考えている方は、体重1kgあたり1.4gを目安にするとよいでしょう。これは、厚生労働省が示す推奨量(体重1kgあたり0.8g)よりやや多めの設定で、体づくりを目的とする場合には意識的な摂取が必要になります。※11※12
例えば、体重50kgの方であれば、1日に必要なたんぱく質量は約70g。これを1日で無理なく摂るには、朝・昼・夜の食事でそれぞれ20g、さらに間食で10gが目安になります。
- 朝食での摂取
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河村先生:1日の中で数回に分けてたんぱく質を摂ることが大切ですが、なかでも特に意識したいのが朝食です。というのも、就寝中は長時間食事をとらないため、体内のたんぱく質が消費された状態になっているからです。前の食事から最も時間が空いている朝は、たんぱく質補給の重要なタイミングといえます。みなさんは、朝食を食べていますか?※10
「朝食を食べていない」という方は、習慣づくりの第一歩としてドリンクタイプから取り入れるのがおすすめです。時間がない朝でも、さっと飲める豆乳は手軽で優秀。無調整豆乳であれば、1パック(200ml)あたり約8gのたんぱく質が摂れるうえ、エネルギー源となる糖質や脂質、さらにビタミン・ミネラルも一緒に補えます。※1※13
一方で、すでに朝食を摂っている方も注意が必要です。
トーストとゆで卵、コーヒー/ごはん・納豆・みそ汁といった軽めの朝食の場合、たんぱく質量は合計で10〜15g程度にとどまることが多く、体づくりを意識する方にとってはやや少なめです。そんなときは、朝食に豆乳をプラスすることで、不足しがちなたんぱく質を無理なく補うことができます。※1※14
- 運動前後での間食
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河村先生:先ほどお伝えした通り、たんぱく質は一度にまとめて摂るのではなく、小分けにして摂取することが大切です。特に運動する30分~1時間前にエネルギーを補うことで、パフォーマンスの向上やスタミナ維持が期待できます。※10※15
運動前に豆乳を取り入れる場合は、胃腸への負担が出にくいタイミングを意識しましょう。目安は運動の30分ほど前。このタイミングで飲むことで、運動中の違和感を避けつつ、必要な栄養を補給できます。
また、運動後も重要な栄養補給のタイミングです。運動後すぐに食事がとれない場合は、間食として豆乳を取り入れるのがおすすめ。たんぱく質をはじめ、さまざまな栄養素を含む豆乳は、お菓子や清涼飲料水で空腹を満たすよりも、筋肉の回復や体づくりに良い影響を与えてくれます。※1※10※12※15
豆乳は、1日1パック(200ml)を目安に、ライフスタイルや運動習慣に合わせて取り入れやすいタイミングで継続することがポイントです。
- 夜の摂取
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河村先生:夜に豆乳を摂取すること自体は、時間帯や食事内容によっては問題ありません。ただし、就寝直前の摂取は基本的におすすめしていません。というのも胃腸に負担がかかるおそれがあるためです。※10
実際、プロテインを取り入れる場合でも、夜は「カゼイン」と呼ばれる、大豆よりもさらに吸収がゆるやかなプロテイン(糖質や脂質を含まないもの)が選ばれることが一般的です。就寝直前の摂取は体づくりの観点から見ると不向きといえるでしょう。※10
【掛け算で加速】豆乳に〇〇をプラス!目的別アレンジレシピ
【1】朝食におすすめ:シェンドゥジャン餅
時短で作れる朝食メニューです。ベースとなる豆乳と卵で、約15gのたんぱく質を確保できます。さらに、トッピングにサラダチキンをやや多めに加えれば、1食で20g前後のたんぱく質摂取が可能。朝食のたんぱく質不足を無理なく補える、実践しやすい組み合わせです。※16
材料(1人分)
作り方
角餅はオーブントースターで焼く。
無調整豆乳は電子レンジで吹きこぼれに注意しながら沸騰寸前まで温める。
器にAを入れてよく混ぜる。
3の中に2を注ぎ入れて大きくかき混ぜる。
4に1の角餅を入れ、好みのものをトッピングする。
【2】間食におすすめ:豆乳ヨーグルト+フルーツ
豆乳に含まれる鉄は、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が高まります。※6
さらに、豆乳をヨーグルトと組み合わせれば、間食としても取り入れやすく、お腹の調子を整える乳酸菌も同時に摂取できますよ。※17
材料(4人分)
作り方
耐熱容器に豆乳を入れ、電子レンジ600Wで3分半ほど加熱する。
プレーンヨーグルトを加え、混ぜる。
保温バッグに入れ、8時間ほど置く。
※時間は様子をみながら固まったところで冷蔵庫に入れてください。
3を冷蔵庫で冷やし、スプーンで適量(150g)取り出し、好みの果物と一緒に盛り付ける。
※豆乳は必ず無調整豆乳を使用してください。
【3】昼食や夕食の献立に:豆乳鍋
豆乳は和のイメージが強いですが、洋風にも合います。チーズや生クリームでコクを出すと高カロリーになりがちですが、豆乳を使えば、カロリーを抑えつつ、たんぱく質をしっかり補える鍋料理に仕上がります。体づくりや健康を意識する方にも取り入れやすいアレンジです。
材料(1人分)
作り方
鶏もも肉、野菜は食べやすい大きさに切る。ニンニクはみじん切りにする。
鍋にバターと玉ねぎを入れ、弱火で玉ねぎが半透明になるまで炒める。
2にAを加え、沸騰直前まで温める(吹きこぼれ注意)。
2に鶏肉を入れ、火が通る頃に1の野菜を加える。
今日からできる豆乳習慣
運動習慣のある人にとって、プロテインはもちろん、豆乳を取り入れることで、より手軽に日常の体づくりをサポートすることができます。1日に必要なたんぱく質量を意識しながら、食事や間食に豆乳を上手にプラスするのがポイント。
無理なく続けられる方法を見つけて、自分のライフスタイルに合った「豆乳習慣」を、今日から始めてみませんか?
【参考文献】 ※1:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」豆類/だいず/[その他]/豆乳/豆乳 ※2:厚生労働省:大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A ※3:たんぱく質 | 生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット) | 健康日本21アクション支援システム Webサイト ※4:プロテイン | 医療法人社団 藤花会 江別谷藤病院 ※5: 高β-コングリシニン大豆の機能性|農業・食品産業技術総合研究機構(NARO) ※6: 鉄 | 生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット) | 健康日本21アクション支援システム Webサイト ※7: 潜在性鉄欠乏症とは|榎木内科循環器科医院(広島市中区江波南) ※8: 大豆イソフラボンの骨代謝調節作用|日本栄養・食糧学会誌第76巻第5号 ※9: 抗酸化による老化防止の効果 | 健康長寿ネット ※10: プロテインを摂取しましょう。|せたがや仙川クリニック ※11: たんぱく質の食事摂取基準|厚生労働省 ※12: アスリートのたんぱく質栄養の考え方|日本スポーツ栄養研究誌 第2巻 ※13: エネルギー産生栄養素 | 生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット) | 健康日本21アクション支援システム Webサイト ※14: 朝食の栄養アップ No.92 |よご内科クリニック ※15: アスリートにとっての食事の役割とは?パフォーマンスを左右する理由について解説! | 日本安全食料料理協会【JSFCA】 ※16: 三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット ※17: 乳酸菌の健康機能 (2026/01/25参照)