大豆と○○シリーズ第5回「大豆と女性 -思春期-」

8、9歳~ 17、18歳を指す思春期は、成長に伴い女性ホルモンも増え、女性らしく変化する時期。月経が始まり、胸が膨らみ、脂肪がついてくるのもこの時期です。その正常な現象に対して、抵抗をしてはいけません。過度なダイエットにより、偏食やエネルギー不足となると、肌トラブルの原因となったり、精神状態も不安定になりやすくなります。
今回は、そんな変化が多い思春期に起こりやすいトラブルと、豆乳の取り入れ方を紹介します。

INDEX

思春期に起こりやすいトラブル

豆乳の取入れ方

食生活の基礎固めをしよう

思春期に起こりやすいトラブル

変化が多い思春期に起こりやすいトラブルと、食事のポイントを紹介します。

1.肌トラブル(ニキビや肌荒れ)
思春期にできやすいニキビなどの肌トラブルの原因には、女性ホルモンの一つであるプロゲステロン(黄体ホルモン)が関係していると言われています(※1)。このプロゲステロンには皮脂の分泌を促す作用があるため、過剰な皮脂が毛穴に詰まってニキビができやすくなります。プロゲステロンは排卵後から月経前の黄体期に分泌量が増えますので、この時期はニキビができやすくなることが多いです。
また、便秘などの症状も肌トラブルに影響があると言われています(※2)。便秘がある場合は、放置せずに対処しましょう。食事からのアプローチとしては、食物繊維の多い食品を取り入れたり、ヨーグルトや味噌、キムチや納豆などの発酵食品がおすすめです。自分のお腹にあった食品を見つけて、毎日の食事に取り入れてみてください。実は、大豆には腸内環境によいと言われている「大豆オリゴ糖」が含まれており、おすすめな食品のひとつです(※3)
2.月経不順や月経痛
月経が始まっても、月経が順調に定期的にくるには少し時間がかかります。思春期は女性ホルモンの分泌が急激に変化するため、安定して月経がくるまでは、月経不順や月経痛の症状が多く発生することもあります。
この思春期の時期に女性としての基礎固めが大事ですので、毎月の月経と上手に付き合っていくことが重要です。食事面では、月経痛や月経トラブルの原因のひとつとして、朝食欠食も挙げられています。朝食を欠食すると月経痛の強さも大きくなるということが言われています(※4)。この時期から、基本的な生活習慣を身につけていくことが大切ですね。食事のバランスを取るためには、大豆や大豆製品がおすすめ。お肉やお魚だけでなく大豆や大豆製品を取り入れると、たんぱく質だけでなくビタミンやミネラルなどの栄養素を補うことが出来ます。
3.運動
思春期は、部活動など運動を盛んに行う方が多い時期。運動している方には、大豆製品の摂取をおすすめします。大豆に含まれる大豆イソフラボンが女性ホルモン様作用を発揮して、骨塩量(骨を構成しているカルシウムなどのミネラル類の量)を強化してくれる可能性があります(※5)。また、豆乳などの大豆食品には、大豆イソフラボンだけではなく、たんぱく質や亜鉛や鉄などのミネラルも含まれています。身体作りや栄養バランスを整えるために、普段の食生活や補食に活用いただきたいです。

豆乳の取り入れ方

1日200mlを目安にして、日々の食生活に取り入れてみてください。

① 朝のコップ1杯で、体内時計のリセットに。
② おやつ代わりに、小腹が空く時間帯に。夕方に習い事などある場合は、その前後に。
③ 寝る前のリラックスタイムに、温めてホット豆乳で。

食生活の基礎固めをしよう

思春期は大人になるための準備期間です。様々な変化に不安になることもあるかもしれませんが、正常な現象に対して抵抗せず、女性としての基礎固めをしていきましょう。その一つとして、バランスの取れた食生活を身につけていくことが大切です。日々の食生活の中に、豆乳を取り入れてみてはいかがでしょうか。

<出典>※1:https://www.ssp.co.jp/hythiol/troublenavi/roughskin/hormone.html※2:「便秘が肌状態に及ぼす影響に関する 調査結果」森永乳業News Release 2009.12※3:Hara, et al. 1997 Jpn.J.Nutr. 55(2)79-84.※4:Fujiwara, T. 2003 Food Sci. Nutr. 54, 505-509.※5:Qin Qiu, et al. 2024 BMC Sports Sci Med Rehabil. Jul 26;16(1)162.

小川 静香 先生

監修

小川 静香先生

管理栄養士・公認スポーツ栄養・博士(医学)

日本女子大学家政学部卒業後、東北大学大学医学系研究科運動学分野を修了。企業では、豆乳や大豆の機能性に関わる研究に従事し、管理栄養士として幅広く活動してきた。趣味の筋トレとトライアスロンのトレーニングにみそや豆乳を活用し、体作りや大会に向けたコンディショニングを実践する中で、スポーツ栄養の重要性を感じ、アスリートへの栄養サポートを実施。最近では腸内環境を専門的に学び、その知見をいかした栄養セミナーなども行っている。

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