DXはBXからはじまる マルサンデジタルトランスフォーメーション (MDX)

MDXで食を通じて社会に必要とされる企業へ

マルサングループはみそ、豆乳といった大豆を主原料とした商品を中心に、創業70年で300億円企業へ成長しました。大豆のプロとして、伝統を重んじながらも変化を恐れず挑戦する姿勢を持つ人材が、マルサングループの成長を支えています。
これまでは中期事業計画のもと、既存事業の延長線上で順調に拡大投資を行ってきました。その結果、一定の規模拡大は達成しましたが、近年の事業環境の著しい変化へ対応するため73期には長期GoPW経営計画を策定し、2030年までにマルサングループのあるべき姿を明確にしました。また、「大地のおいしさで健康な未来を切り開く!」というコーポレートスローガンのもと、植物性飲料や食品の開発を加速し、市場投入を進めてきました。

マルサングループのMDXは2020年から準備を進め、同年12月にMDX会議を立ち上げました。それまで各事業体で個別に行われていた活動をMDXでプロセスの見える化を図り、グループ全体の活動へと発展させています。代表取締役のコミットメントのもと、デジタルの持つ破壊力とスピード、さらに複写の特性を活かしてプロセスの再構築を進めています。その結果、既存ビジネスでは生産性の向上、コスト削減、時間短縮を実現し、業務そのものを見直すことで、徐々に働き方に変化が表れてきました。また、MDXでは従来にはない製品やビジネスモデルの創出を目指しています。

代表取締役社長

堺 信好

第四次中期事業計画

「第四次中期事業計画」では、「ROICの浸透を通じた事業内構造改革」をテーマとして、付加価値商品の開発やDXを活用した業務効率化により、相場の影響を受けやすい事業構造からの脱却を図ってまいります。事業価値向上のための重点課題として「エリア戦略」「商品戦略」「DX戦略」の3つを設定し、これらの実現によってグループ全社のROICの向上を目指してまいります。

第一次中期サスティナビリティー計画

「第一次中期サスティナビリティー計画」では、「マルサングループに関わるすべての人が笑顔で生きられるために必要なものを守る」をテーマに、「人的資本」「環境課題」「食と健康」「イノベーション」の4つの重点項目を掲げ、サステナビリティに関する取り組みを推進してまいります。

MDXの目指すもの

DXはBXから始まる

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、ただ新しい技術を取り入れるだけではなく、会社全体の仕組みや働き方を根本から変える「BX(ビジネスの変革)」が必要です。たとえば、新しい技術を導入しても、古いやり方や考え方のままだと効果が出ません。だからこそ、DXを成功させるには、まず会社の仕組みや文化を見直し、変えていくことが大切なのです。

情報処理技術の活用の方向性

当社は、業務変革の手段としてデジタル技術を積極的に活用します。これにより、生産性の向上、顧客体験の向上、新たなビジネスモデルの創出、イノベーションの促進、コスト削減を実現し、持続的な成長と社会価値の創造を目指します。DX推進は、当社の経営理念および中期経営計画と一貫しており、全社的な取り組みとして継続的に進めてまいります。当社のMDXは、この「BX」を起点として、デジタル技術の力を最大限に活かし、企業文化・業務プロセス・ビジネスモデルの変革を同時に進めることで、真のDXを実現します。

  • 1)MDXのパーパス

    MDXは、デジタル技術とデータを活用して業務の効率化と革新を推進し、企業全体の競争力を高め、持続可能な成長を実現することを目的としています。

  • 2)MDXのビジョン

    MDXのビジョンは、食を通じて社会に必要とされる企業を目指し、現場主義に基づき効率化・合理化を推進することです。マルサングループの伝統と挑戦の精神を活かし、デジタル・IT技術を積極的に活用して生産性向上、コスト削減、働き方改革を実現するとともに、社外の協業各社と連携しながら新たな製品やビジネスモデルを創出し、全方向的な満足度の向上を目指します。

  • 3)MDXのミッション

    MDXは、デジタル技術を活用して業務の効率化と革新を推進し、企業全体の競争力を高め、
    持続可能な成長を実現することを目的としています。

    • 1生産性の向上

      デジタル技術を活用して業務の効率化を図り、生産性を向上させます。

    • 2CX(顧客体験)の向上

      デジタル技術を活用して、顧客との接点を増やし、顧客体験を向上させます。

    • 3新しいビジネスモデルの創出

      デジタル技術を活用して、従来のビジネスモデルを変革し、新しいビジネスモデルを創出します。

    • 4イノベーションの促進

      デジタル技術を活用して、新しいアイデアを生み出し、イノベーションを促進します。

    • 5コスト削減

      デジタル技術を活用して、業務の自動化や省力化を図り、コストを削減します。

  • 4)MDXのバリュー

    MDXは、デジタル技術を活用して業務の効率化と革新を推進し、企業全体の競争力を高め、持続可能な成長を実現することを目的としています。

MDX推進の4つのステップ

    具体的な取り組み

  • 1
    基幹システムとBIツールの連携による予実管理と意思決定支援

    基幹システムとBIツールを連携し日々の予実推移をリアルタイムで見える化、営業部門および経営層が迅速かつ的確な判断を行える基盤を運用している。
    さらに基幹システム刷新に合わせ分析ツールを高度化、実績をドリルダウンで詳細把握できるような基盤を構築しより精緻且つタイムリーな状況把握を実現、これによりデータ駆動型経営の基礎を構築する。

  • 2
    販売・購買業務のデジタル化推進

    受注業務についてはEDI化をさらに促進、発注業務にWebEDIやAI-OCRを適用し業務効率化を進める。
    これにより労働人口減少耐性を高めるとともにコスト削減を図り、適切な市場貢献へつなげる。

  • 3
    生成AI・AIエージェントの活用による商品企画高度化

    生成AIのサービスを導入、利用者数は全社30%を超え利用率も安定しており業務定着が進んでいる。
    さらに複雑なエージェント化も進めており、社内外の情報を効果的に収集・分析し、効率的な商品企画立案を行うことで、顧客ニーズに即した商品を迅速に企画・開発・提供できる体制の構築を進めている。

  • 4
    DX人材育成の推進

    ITパスポートを取得推奨資格として定め、基本的なIT知識の向上とDX人材の育成を推進している。
    育成した人材がBIツールやAI分析を活用し、現場主導でデータ分析・業務改善を行う体制を強化する。

    DX推進の達成指標

    GoPW経営計画の実現、中期事業計画の目標達成に併せて以下をDXの達成指標とする。

  • 1
    基幹システムの刷新とBIツールの強化・更新

    データの精度を向上しBIツールを一部会議資料の代替とすることで、Excelでの手作業、資料化に係る時間を低減。
    全体で月次処理から取締役会までのリードタイムを20%削減する。

  • 2
    受発注のコスト削減

    EDI化と手書き帳票読み取りをAI-OCR適用することで受発注に係る紙・人的コストを5%削減する。

  • 3
    商品企画のコスト削減

    AIエージェントの活用により企画書作成に係る調査、資料化コストを5%削減する。

  • 4
    IT人材の強化育成

    ITパスポート取得を全社推奨資格とし取得率20%以上を目指す。

    IT/DXに関する環境整備

  • 1

    基幹業務の分析基盤としてノーコード型BIツールであるWebFOCUSを導入済みであり、ノーコードの特性を生かし、利用者側でも自由に分析ツールの作成を行える基盤として活用。

  • 2

    販売管理においてはEDI導入済みであるがさらに効率改善のためEDI活用比率の向上を進めており、EDI活用比率を最大化しつつ、AI-OCRによるデータ化コストの削減を進める。

  • 3

    基幹システムの刷新を進めており、より精緻な分析の起点となるデータ精度の向上を図る。
    BIツールも同時に機能拡張と強化を進め、より詳細かつ複雑なデータ分析を行える新たな基盤を構築する。
    この基盤をデータ駆動型経営の起点となるデータ集積・分析基盤として活用することで意思決定の迅速化を実現する。

MDXの推進体制

第3次中計で設立されたMDX会議は、営業・生産・管理部門より選出したメンバーで構成されています。
重視する価値観「DXはBXから始まる」を掲げ事業部門の業務課題をデジタル/IT技術で解決し、業務改善や新しい業務モデルの構築を進めるプロジェクト型組織です。
推進案件は効果測定を行い、計画通りの効果が実現できたか評価・分析するまでやり切ることで継続的な改善体質の構築を目指しています。
また、全社横断でDX活動を推進する組織としてIT戦略推進課を置き、MDX会議の運営、基幹システム等全社的規模のDX案件を主導しています。
MDX会議とIT戦略推進課は同じ役員管轄に置かれ、同じ価値観でDX活動を推進する体制がとられています。

DX人材の育成方針

「DXはBXから始まる」を基本方針とし、DX推進の基盤を築くための人材育成に取り組んでいます。

まず、業務を俯瞰する目線へのシフトを促し、全体最適を重視した部門・業務横断的な改善や課題発見を行う力を養います。特にリーダー層の育成に注力し、育成されたリーダーが所属部門へフィードバックを行うことで、組織全体の成熟を図ります。
また、IT人材の採用やシステムベンダーとの定期的な意見交換を通じて、DX会議事務局を中心に最新のIT・デジタル技術の知識を維持し、技術面の取り込みと課題意識の醸成を2軸としてDX推進を進めてまいります。
ITパスポート取得のための教育予算を確保し、DX推進の中心人物であるMDX会議メンバーと、業務改善を主導する各部管理職のIT標準レベルの向上を図るために資格取得を促進、全社取得率20%を目指します。

サイバーセキュリティ対策

当社は、サイバーセキュリティリスクを未然に防ぐため、以下の対策を実施しています。

  • 1EDR導入 エンドポイント検出と対応(EDR)システムを導入し、リアルタイムでの脅威検出と対応を行っています。
  • 2IT監査の実施 年一回のIT監査を実施し、第三者によるシステムのセキュリティ状況を評価しています。
  • 3情報セキュリティに関する規定の策定 情報セキュリティリスクを軽減するためデバイスの利用規則等を定め、従業員に周知徹底しています。
  • 4社員への啓発活動 定期的な啓発活動を通じて、従業員のセキュリティ意識を向上させています。

大地のおいしさで
健康な未来を切り開く!